安全衛生の取組み方は進化している

私は某自動車部品メーカのソフト開発子会社で安全衛生推進部署にいました。この親会社では子会社15社を含めた連結安全衛生連絡会があり、グループ全体の安全衛生活動の方針展開や情報交換をやっていました。
2017年に親会社が「デュポンの安全文化」のコンサルを受けて様変わりしました。
それまでは厳しい安全衛生部長によるゼロ災活動、KYT、職場安全パトロールなどがトップダウン的で進める活動でしたが、従業員の安全衛生意識に焦点をあてた活動に変化しています。
(・・・聞いてみると、T自動車が先にデュポンのコンサルと関係があったということです。)

それまで親会社の安全衛生活動でも積極的でいろいろな活動をしていると思っていましたが、コンサル後はいろいろな不十分な点を思い知らされました。

デュポンの安全文化

デュポンの安全文化では、組織文化が成熟すると事故の発生が少なくなる関係をしめすブラッドリーカーブというものが出てきます。
この成熟度は全社員の安全意識調査から集計されるもので、「組織が従業員に安全をどのように/どのくらい感じさせているか?」という質問になっています。その調査結果は親会社もグループ会社も管理型でした。つまり、安全活動をするものの安全を考えて行動していない。
Bradley Curveによるとこれが事故がなくならなかった理由というわけです。

安全価値の共有・共感に焦点をあてた活動へ

多分、日本の多くの安全活動は管理型と思います。多くの仕組みで安全を遵守していますが、それだけでは限界があります。
活動で焦点をあてるのは「その取組みで得られる安全衛生の価値を共感すること」なのです。例えば運転で制限スピードを守るのは捕まらないためではなく、事故をおこさないという価値をベースに運転することです。
厳格なトップダウンは不要です(逆効果)。安全価値を共有・共感することを目指す活動にすることで、もっと安全でもっと良い組織になるからです。

その後

デュポンのことを調べていくうちに、組織心理学や組織開発という分野に触れ始めました。昔、開発組織の設計でかじったことがあったので再度、学習しています。
また、デュポンは”Safety and Health”とかかげていますが、Healthの分野にはあまり参考になる取組みはありませんでした。これは日本の衛生活動や健康保険制度の特殊性が影響しているのかもしれません。→でも考え方は適用できると思います。Percievedのサーベイや無形資産(文化)の考え方は類似しているものが見られます。
日本ではデュポンの安全文化についての記事や論文が少なすぎる事と、具体的な考え方まで解説しているものが少ないので、いつかチャレンジしてみようかなと考えています。

安全衛生活動の具体的内容

以下準備中